世界子ども音楽祭、無事開催できました

c) FESJ/2021/Mariko Tagashira

c) FESJ/2021/Mariko Tagashira

3年越しで準備してきた世界子ども音楽祭 in 東京。当初はベートヴェン生誕250年である2020年4月に、国内4拠点と世界8カ国の子どもたちを中心に、エル・システマ出身や関係のある音楽家と共にベートーヴェンの第九交響曲を奏で、歌おうという企画。

コロナ禍で延期となってしまいましたが、まずは2020年8月夏での実施を模索。それも叶わなくなり、また海外の仲間とリアルで集うこともできなくなりました。それでも2021年3月頃には第九が歌えるようになっているという希望を持ち続けてきました。

しかし、年始からの首都圏の緊急事態宣言で、コーラスの活動が全面的に中止。相馬の子どもたちが東京に移動することの可否も未定となる中で、第九自体を諦めざるを得なくなりました。代わって、音楽監督の先生方と至った結論は、相馬子どもオケにとって、5年前に初めて挑戦したオーケストラ曲である同じベートーヴェンの第5交響曲「運命」。コーラスは、相馬の子どもたちが震災で亡くなった方を想い歌い続けてきたモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。東京ホワイトハンドコーラスが、オンラインでの練習でも時間をかけて丁寧に準備してきた上田真樹(作曲)・林望(作詩)の「あめつちのうた」。

管楽器は、たった2ヶ月の準備で子どもたちも対応できるのか?コーラスはそもそも練習できるのか?ただでさえ、不安でいっぱいの中、追い討ちをかけるように大きな地震があって練習ができなくなったり、木許先生、古橋先生、そして現場の先生方も気が気でなかったかと思います。

応援し続けてきてくれた支援者や関係者。子どもたちを励まし続けてくれた保護者。可能性を信じて、オンラインでもリアルでも熱い指導をしてきてくれた先生方。エル・システマジャパンの全てのスタッフ、インターン、ボランティア。そして、もちろん、音楽を楽しみたく、仲間と一緒に前に進む勇気を持ち続けた子どもたち。みなさん、本当に本当にありがとうございました。

早速、多くの方々から、涙が止まらなかった、とても勇気付けられた、心に浸みた、温かく力強いコンサートだったとの感想を頂いています。

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