11月20日は「世界こどもの日」。
世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、
国連によって1954年に定められました。
さらに、全ての子どもに人権を保障する初めての国際条約、「子どもの権利条約」が制定されたのはちょうど30年前、1989年11月20日のことでした。
その採択以降、「子どもの権利条約」は、
子どもを大切な存在と位置付けることに国際的な成功をおさめ、
たくさんの子どもたちの命と成長を守ることに大きく貢献してきました。
子どもたちにとってより安全で平和な世界を築く試みが全世界に広まる中、
音楽を通して子どもたちを守り、育てるエル・システマに影響を受けたプログラムも
世界的なムーブメントとして広がっていきます。
本日ご紹介したいのは、世界子ども音楽祭に参加する8カ国の中で
アフリカからの唯一の参加国、アンゴラの子どもたちです。
アフリカ南西部に位置する豊かな天然資源と美しい自然に恵まれ、
多様な文化に満ちたアンゴラ共和国。
しかし、長く続いた内戦により国は疲弊。
現在は世界有数の高い経済成長率を誇っていますが、貧困問題は深刻で、
世界で最も貧富の格差がある国の一つとも言われています。
そんな中、2008年、アンゴラのルアンダ市の貧困家庭の子どもたちを対象に、
青少年支援プロジェクトとして音楽指導を開始したのがカポソカ音楽学院の始まりです。
特に貧困層の子どもたちは劣悪な生活環境から犯罪や非行に走ってしまうことが多い中、
カポソカ音楽学院では、学校以外の余暇の時間に日々努力を重ねながら楽器を学び、
規則を持った団体音楽活動を行うことで青少年の指導・育成に成果を挙げています。
貧困層向けの社会政策としての成果のみならず、
アルゼンチンやイタリア・ミラノ万博をはじめ各地での国際音楽祭等のプログラムを通して、その高い音楽性が高く評価されています。
2016年には来日を果たし、長野、宮城、広島など各地でのコンサートに加え、
相馬と東京にて交流コンサートを行いました。
相馬、東京と2度にわたる共演で、曲を一緒に作り上げることに真剣に向き合った
カポソカ音楽学院と相馬子どもオーケストラの子どもたち。
ポルトガル語と日本語で言語でのコミュニケーションが難しい中でも、
互いの距離を少しずつ縮めて心を通わせます。
「アンゴラと日本はひとつだと思った」
「世界中のすべての子どもたちに、こういうチャンスがあるべきだ」
といった感想も子どもたちから聞こえてきました。
アンゴラの子どもたちの集中力やリズム感、野性的、感覚的なところなど、相馬の子どもたちにも大いに刺激を与えてくれました。
カポソカ音楽学院の子どもたちから相馬の子どもたちへ
「今度はアンゴラへ!」と熱いラブコールが送られたのはもう3年以上も前のことですが、
今回の世界子ども音楽祭での再度の共演を果たせることを、本当に嬉しく思います。
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