2019年、日本中が熱狂に包まれたラグビーワールドカップは、皆様の記憶に新しいことと思います。
日本を含め世界の数々のチームが素晴らしいプレーを見せてくださいましたが、
その中でも多くの方の注目を集めたのがニュージーランドの「オールブラックス」ではないでしょうか。
W杯3連覇はかないませんでしたが、毎回の試合前に披露した「ハカ」の舞は
人々に鮮烈な記憶を残しました。
この「ハカ」は、本来先住民族のマオリ族の戦士が戦いの前に
手を叩き足を踏み鳴らしながら仲間を鼓舞するものですが、
この舞に象徴されるようにニュージーランドは先住民族との歴史的な背景の中で、
その文化を受け継ぎ尊重しながら共生の道を模索してきたことが伺えます。
今回の世界子ども音楽祭でも、オセアニアを代表してニュージーランドからも
子どもたちがやってきます。
今回来日する“Sistema Aotearoa (システマ・アオテアロア)”。
「アオテアロア」とは、「白く長い雲のたなびく国」を意味するマオリ族の言葉で、
ニュージーランドのことを指します。
この団体の名前が表す通り、Sistema Aotearoaは、社会的資源が限られてしまいがちな
マオリ系の子どもたちを中心に、太平洋諸国からの移民の子どもたちをも対象に、
3,000名を超える参加者に対して音楽プログラムを提供してきました。
始まりは、ニュージーランド文化遺産省とオークランド・フィルハーモニー・オーケストラ
によるパイロットプログラム。
2011年に創設されて以降、2016年まで政府の支援にてプロジェクトが続いてきましたが、
以降は独立した慈善信託機関を設立し、各方面からの資金調達を元に活動を続けています。
また、オークランド・フィルハーモニー・オーケストラとも引き続き協力関係にあり、
指導面などにおいてプロのアーティストからの応援に支えられています。
各地の学校との提携も進み、今では、6歳から16歳までの600名近くの子どもたちが、
30を超える小中学校の授業の一環で、あるいは放課後のプログラムとして参加しています。
こちらの写真はプログラムに参加している子どもの一人が休憩中に書いたもの。
エル・システマが世界各地の様々な場所において子どもたちの居場所になっていることが伺えます。
南半球にあるニュージーランドは今は夏休み。
子どもたちはしばし夏を楽しんで、来週の17日からまたSistema Aotearoaのプログラムに戻ってくるそうです!
世界子ども音楽祭まで残すところあと2ヶ月を切りましたが、
海を超え世界各地から集まってくる子どもたちに会えることが待ちきれません。
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