日本の子どもたち ー③大槌子どもオーケストラ

本日公開された一本の映画「風の電話」。実在する電話ボックスをモチーフに、悲しみを抱え生きる人々に寄り添い、出会いと別れ、またそこに生まれる心の揺れ動きが丁寧に描かれます。

この舞台となった岩手県大槌町は、東日本大震災による甚大な被害を受け、死者・行方不明者数1,200名を超えるという、東北三県の被災自治体でも最悪と言える深刻な被害を受けました。


震災によって、さらに故郷を離れてしまう人が増えていく中、元々豊かな郷土芸能が根付いていた大槌では地域の方々は音楽に対する強い思いがあり、音楽により地域の一体感を醸成しようという試みが、地元の方々の手で多数繰り広げられています。


そのような流れの中で、大槌子どもオーケストラは生まれました。2014年、学校のクラブ活動への支援から始まり、弦楽器教室が誕生。街の復興とともに一歩ずつ、しかし確かに子どもたちの歩みが始まりました。


大槌で子どもたちの指導にあたる櫻井うらら先生はいつも真剣勝負!子どもたちが音楽を通じて楽しさを感じるだけでなく、真剣に向き合うがゆえの厳しさもありながらも、だからこそいつでも帰ってこれる居場所が育まれてきました。




小さな音楽家たちは、町内でも様々なイベントにひっぱりだこ。2020年はなんと成人式にも出演し、新成人の皆様にフレッシュな演奏をお届けしました。そして、毎年大槌で開催されている「風の電話音楽祭」にも出演しています。


下の動画は、風の電話音楽祭にて、岩手県が誇る作家である宮沢賢治が作詞作曲した「星めぐりの歌」を演奏する様子です。


毎年の成果を発表するクリスマスコンサートでも、小さな子どもから小学生のお姉さんまで、バイオリンや時には鈴やタンバリンを鳴らしながら、コンサートという舞台を成功させようと懸命に頑張る姿に、地域のお客様も胸を打たれています。




これまで、相馬のお兄さんお姉さんや、駒ヶ根の子どもたちとも舞台で共演したり、東京や軽井沢、沖縄など様々な場所で演奏する機会に恵まれてきましたが、今回は世界のなんと8カ国の子どもたちとの演奏です。


自分たちが生きている世界がどれほど広くて多様なものなのか、そして音楽というツールでどのように心を通わせることができるのか、子どもたちが世界と出会う瞬間が楽しみです。

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