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ベルリン・フィルハーモニーのスタンリー・ドッズさんが大槌町を訪問

べルリン・フィルのバイオリン奏者、スタンリー・ドッズさんが岩手県大槌町を訪問し、エル・システマジャパンの活動に参加する子どもたちのために、バイオリン演奏つきの朗読会を開いてくださいました。ストーリーは、絵本の『はなのすきなうし』。闘牛として頭角をあらわすよりも、ただのんびりと花の匂いを嗅ぎ、その香りに身を委ねていることが何よりも好きな牛の話です。もしかしたら、「子どもの頃に読んだ」、「おきにいりの絵本だった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

スタンリーさんがバイオリンの音色を響かせ、エル・システマジャパンのスタッフである渡辺が日本語で『はなのすきなうし』のストーリーを語りはじめると、子どもたちは急に静かになり、じっと耳を澄ませます。「『はなのすきなうし』が大好き」という、天使くん(9歳)も、そのひとり。「最後に、牛がまた花の匂いを嗅げるようになってよかった」と嬉しそうです。

よく日焼けしたサッカー少年、蓮くん(12歳)は、「バイオリンは色々な音が出せてすごい」と感じたそうです。牛のフェルジナンドが花の匂いを気持ちよさそうに嗅いでいる音、男たちが闘牛用の強い牛を求めて忍びよる音、蜂がぶんぶんと飛ぶ音、フェルジナンドが蜂に刺されて暴れる音…。『はなのすきなうし』にはあらゆる音が出てきますが、スタンリーさんが弾くバイオリンを聴いていると、その情景が目の前に浮かびます。蓮くんは、なかでもフェルジナンドが花の匂いを嗅いでいる音が一番好きだそうです。

蓮くんのお隣にいる桜子ちゃん(9歳)は今年バイオリンを始めたばかり。「『はなのすきなうし』は好き?」と訊くと、「私は暴れていない牛が好き!」と桜子ちゃん。フェルジナンドが幸せを感じている瞬間を、バイオリンの音色のなかに聴きわけたのかもしれません。

(写真は左から、天使くん、蓮くん、桜子ちゃん、朗読会の様子)

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