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フェローオーケストラのデビュー公演 in 東京(3月11日)

東日本大震災からちょうど6年を迎えた3月11日、日本各地で様々なイベントが行われましたが、東京のパルテノン多摩では、フェローオーケストラの「第1回チャリティコンサート」が開催され、音楽で被災地への想いをひとつにしました。

エル・システマジャパンの活動を音楽指導ボランティアとして被災地でサポートするなかで生まれてきた、フェローたち。その数は、ひとり、ふたりと増え、志ある音楽家たちの集まりは、今度は「フェローオーケストラ」という大きな夢を生みました。「音楽の力が子どもたちをつなぎ、子どもたちが成長しながら地域コミュニティに元気を与えている姿を目の当たりにして、自分たちも成長していかなければならないと思った」と、フェローオーケストラ代表の八木澤佑理子さん。

高校1年生から60代のシニアまでが参加するフェローオーケストラの団員数は、現在88名。そのうち約80名が今日のステージに上がりましたが、その多くが学生や社会人としての生活も営むかたわらで、フェローとして被災地に赴き、さらに今回の公演へ向けた練習にも参加してきました。それは決して容易なことではありません。フェローたちはメーリングリストなどを使って、自分たちは何のためにオーケストラをやっているのか、オーケストラを通じて何を伝えたいのか、仲間同士で意見を交わしながら進むべき道を模索してきたそうです。八木澤さんは、「生まれ育った環境や文化的な背景が異なる人であっても、それぞれの違いを尊重しながら、一人の人間同士としてつながり合い、お互いを思いやることができる社会を目指したい。それは音楽を通じて実現できると思う」と言います。フェローオーケストラは、その夢を実現させるための第一歩なのかもしれません。

バーンスタインの『ウエスト・サイド・ストーリー』より「シンフォニック・ダンス」、マーラーの交響曲第5番第4楽章「アダージェット」、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、そしてアンコール。パルテノン多摩にご来場くださった約500名のお客さまは、フェローオーケストラの演奏に盛大な拍手を送ってくださいました。また、曲間にはフェローオーケストラと会場のお客さまによる、1分間の黙祷が被災地へ捧げられました。それぞれ立場は異なり、普段はばらばらの生活をおくっていても、その場にいる全員が同じ方向を見つめた時間でした。

指揮の浅岡洋平先生(エル・システマジャパン音楽監督)は、「お客さまが温かかった。オーケストラは互いに知らない人間同士で集まって、チームとしての力をつけていくのが難しいけれど、今日はいい船出。みんな、これからです」とフェローオーケストラの活動に息を弾ませました。

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