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子どもの成長を感じた瞬間 〜駒ヶ根編〜

駒ヶ根では、2017年の夏から弦楽器教室の活動がスタートしました。そして年度末には成果発表会を開催しました。

発表会の1週間前。私は、最後に演奏するカノン(パッヘルベル作曲)について、子どもたちと同じパートを弾くか、別のパートを弾いて合奏としての厚みを出すかを悩んでいました。そこで、その日の練習では私が子どもたちと同じパートを弾くパターンと、私がチェロパートを弾き、子どもたちだけでVnパートを弾くバターンとの2通りで通し練習を行いました。

すると、鈴乃さん(小5)が「先生が低い音弾いてくれたほうがやりやすい」と教えてくれました。低い音、つまりチェロのパートは、常に4分音符を刻み、テンポを示す役割を持っています。鈴乃さんは、私が同じパートを弾いたときではなく、チェロの音が聴こえてきたときに自信を持って演奏ができたというのです。私は子どもたちだけに第2Vnのパートを任せ、私や他のサポートメンバーで第1Vnと第3Vn、チェロパートを弾くというパート割を決めました。

オーケストラの練習では「他のパートの音をよく聴いて!自分の音に必死にならないで!」なんて注意がよく飛び交います。なんと、駒ヶ根の子どもたち、まだまだ演奏は拙いながら、自然と周りの音に耳を傾けるということができるまでに成長していたのです。

音楽でも、毎日の生活でも、調和を感じとり、その中で自分の役割を果たすことはとても重要です。みんなでひとつの音楽に取り組むことによって研ぎ澄まされていく感覚を、これからも丁寧に発見し続けたいです。 小山浩実(駒ヶ根事業担当)

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