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3.11を迎えて

東日本大震災から9年。尊い命を亡くされた方々、復興の遅れから、そして原発事故によってふるさとを離れざる得なくなった方々を想うと、今でも悲しく辛い気持ちでいっぱいになります。

長期戦となるである復興の過程で、どうしたら物理的や困難や、差別や偏見を乗り越え、将来を担っていけるような子ども達の支えになるのか。この問いかけに、音楽を通して答えていきたいという思いで始まったのが、エル・システマジャパンでした。

当時の小学生達は、社会人に、大学生に、高校生になり、立派に成長しました。音楽的にも、古典の大作に挑戦し、繊細な表現ができるようにもなりました。また、こうした子ども達の頑張りと、作り出す素晴らしい音楽によって、地域の人々が、勇気付けられ、前を向いて行こうという気持ちになっていることを実感しています。

しかし、東北の被災地が、今でも厳しい状況にあることは事実です。少子化の影響もあり、子どもが急減していることにより、地方では貴重なスポーツや文化芸術体験の場である部活動の維持が困難になっています。一方、学校にも家庭にも居場所がない子どもの数は減っていないにも関わらず、彼らを受け入れ、支援する体制は非常に脆弱です。

音楽の高みを一生懸命目指しながらも、必要としている誰にとっても、丁寧に寄り添えるような教室。なかなか両立が困難とも言えますが、現場の先生は、日々そこにいる子ども達のことを最優先に奮闘してくれています。

多くの方に、こうした日々の営みを応援して頂ければと思っています。そして、いつの日にか、相馬や大槌に足を運んで、小さな音楽家達が奏でるハーモニーに耳を傾けてもらえれば嬉しいです。

下記YouTube動画は、昨年3月の相馬での子ども音楽祭より。英国オックスフォード大の皆さまや地元のシニア合唱団と一緒に奏でた迫力の「相馬盆唄」です。 (代表理事:菊川 穣)

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