2020年4月、オリンピックに先駆けてエル・システマジャパンの国内4カ所と世界8カ国から子どもたちが一堂に会する「世界子ども音楽祭」が予定されていました。新型コロナウイルス感染拡大により、音楽祭を2021年3月に延期して開催は決めましたが、残念ながら現状では全員で同じ舞台に集えなくなっています。

しかし、世界や日本各地の仲間からのメッセージや、それぞれの地域に縁のある楽曲演奏動画を上映し、コンサート自体はリアルタイムでオンライン配信することで、音楽祭の理念を何とか形にしようと思うにいたりました。

生誕250年ということで予定していましたベートーヴェンの「交響曲第9番「合唱付き」」は、諸条件より実施が困難となりましたが、相馬の子どもたちが、5年前にドイツ・ベルリンでベルリンフィルのメンバーと奏でた思い出の「交響曲第5番「運命」」を、日頃から支えてくれている指導者や音楽家たちによる特設オーケストラと一緒に演奏します。合唱は、予定通り、日本の自然の美しさを歌う「あめつちのうた」（作詞：林望、作曲：上田真樹）を披露します。

世界中がコロナ禍に見舞われ、困難を乗り越えようとしている中、歓びと希望を共有し、エル・システマの理念である「奏で、歌い、困難を乗り越える」というメッセージを届けます。