左から、菊川エル・システマジャパン代表理事、イシカワ 駐日ベネズエラ・ボリバル共和国特命全権大使、杉本 駒ヶ根市長

​長野県駒ヶ根市と新しい事業協力協定を締結

〜第3の地域で、音楽を通じて子どもたちの生きる力をはぐくむ〜

2017年3月23日(木)於:駒ヶ根市役所

「アルプスがふたつ映えるまち」、長野県駒ヶ根市。東に南アルプス、西に中央アルプスを望み、神々しく連なる山々に訪れるひとびとは魅了されます。その駒ヶ根市とエル・システマジャパンは3月23日、事業協力協定書に調印し、「音楽を通じて生きる力をはぐくむ事業」を実施していくことを合意しました。調印式には、杉本幸治 駒ヶ根市長氏、セイコウ・イシカワ 駐日ベネズエラ・ボリバル共和国特命全権大使をはじめ、駒ケ根市役所、市議会、教育委員会、音楽関係者の皆さまが、ご同席くださいました。

調印式当日、南アルプス・仙丈ケ岳を望んで

駒ヶ根市で“エル・システマ”を

杉本市長がベネズエラ民族楽器の発表会で、マラカスやアルパ、クアトロの素晴らしさに触れたのは、今から7、8年前のこと。そのときに、「いつか駒ケ根でも、こんな音楽を普及させたい」と、イシカワ大使に熱い想いを伝えられたそうです。その後、駒ケ根市は、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」のホストタウンに選出され、エル・システマが誕生したベネズエラとの関係がさらに深まりました。

ご自身も音楽家である杉本市長は、音楽の力を強く信じ、子どもたちに音楽を通じて生きる力を身につけてほしいとずっと願ってきました。調印式の席では、「5年後には、『駒ヶ根子どもオーケストラ』ができることが夢だ」と熱く語られました。​

エル・システマジャパン代表理事の菊川穰は、今から42年前に生まれたエル・システマは広い音楽教育プログラムを想定しており、「音楽はみんなで作っていくもの」だという考え方を強調。「子どもたちがあらゆる形態の音楽に触れながら、仲間と一緒に楽しく安心して過ごせる場所を作っていきたい」と意気込みました。また、今後は維持が難しくなると予想されう部活動の問題にも言及し、地域の方々ひとりひとりの想いに寄り添いながら、日本ならではの形を模索していきたいと話しました。

意気込みを述べるFESJ代表理事菊川

また、イシカワ大使は、世界では排除や分断が広まるなか、今回の協力は非常に意味があるものだと発言。音楽は全人類共通の権利であり、相互理解のかけ橋を作り、他者を受けいれる精神を育むことを、42年前に誕生したエル・システマがまさに証明していると訴えました。

駒ケ根市役所、市議会、教育委員会、音楽関係者の皆さまと一緒に

​(駒ヶ根市役所秘書広報室提供)

新たなスタートを切って

平成29年度の駒ヶ根市での事業は、指導講師やボランティア派遣などを含めた音楽部活動への支援、弦楽器教室の運営、「子ども音楽祭」の開催などを予定しており、駒ケ根市は200万円の予算を計上しています。そして5年後には、「駒ヶ根子どもオーケストラ」を創設することを私たちは目指しています。

福島県相馬市、岩手県大槌町に続く、第3の地域・長野県駒ケ根市。それぞれ異なる環境で、それぞれの特性を活かしながら、それぞれのプログラムをゼロから組み立てていきます。今まで数知れずのハプニングに見舞われてきましたが、それがむしろチャンスとなって事業が展開していったのは、それぞれの地域の方たちの努力と、日本はもちろん世界中から応援してくださる方たちの力によるところが大きいです。駒ケ根市の子どもたちの成長を温かく見守っていただけると幸いです。

(文:仲川美穂子 エル・システマジャパン広報官)