エル・システマジャパンとは
エル・システマジャパン(Friends of El Sistema Japan)は、子どもたちが音楽に向き合うことをとおして、自信や尊厳を取りもどし、自分の人生を切り開いていく力をはぐくむことを目的に、福島県相馬市、岩手県大槌町から活動を開始し、現在では長野県駒ヶ根市、東京都、大阪府豊中市、京都府舞鶴市の6拠点で活動しています。
活動の礎となっているのは、ベネズエラで48年前に産声をあげた「エル・システマ」という音楽教育プログラム。家庭の経済状況や障害にかかわらず、希望する子どもなら誰でも無償でオーケストラやコーラスに参加できる環境を整え、継続的に質の高い指導を行う「エル・システマ」は、世界70以上の国や地域で展開されています。
東日本大震災が発生した翌年の2012年、エル・システマジャパンは、被災地の子どもたちを支援していくためにその一歩を踏み出しました。
同年、小学校への部活支援として始まった、福島県相馬市では「相馬子どもオーケストラ&コーラス」が結成され、現在、約80名の子どもたちが活動しています。特に高校生は、率先して国内外との交流活動を先導する存在に成長しています。鑑賞教室の開催、鼓笛隊への指導等、地元の小学校への包括的な音楽支援も含め、市内約2,000名の子どもたちが対象になっています。
2014年からは、岩手県大槌町にて放課後クラブや中高生の吹奏楽部の活動への支援も始まり、合わせて約60名の子どもたちが音楽活動に参加し、週末教室を中心とした「大槌子どもオーケストラ」として活動しています。
2017年3月からは、被災地以外でも、相対的に芸術にかかわる機会の限られている地域や子どもへと活動の対象を広げていきました。長野県駒ヶ根市において始まった「駒ヶ根子どもオーケストラ」には、現在は市内全域から100名の児童、生徒が集まっています。
2017年に立ち上げた「東京ホワイトハンドコーラス」は東京芸術劇場を拠点に、真のインクルーシブな共創の音楽活動とはどういうものかを探りつつ、中心となるきこえない子ども やみえない子どもの主体性を大事にしながら活動を続けてきました。2022年、「東京子どもアンサンブル」と「クリエイティブ・ワークショップ」として、当事者のオーナーシップを優先したクリエイティブな場づくりを進めています。