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エル・システマ ジャパンとは

東日本大震災の被災地の子どもたちを支援するために2012年3月23日に設立され、地方自治体との協力のもと、「音楽を通して生きる力を育む事業」を実施しています。子どもたちは仲間と一緒に音楽を学びながら、他者とのコミュニケーション力を磨き、人生を切り開く力を身につけています。活動の礎となっているのは、ベネズエラで40年ほど前に産声をあげた、「エル・システマ」という音楽教育プログラム。家庭の経済状況や障がいの有無に関係なく、どんな子どもでも無償で参加できる「エル・システマ」は、今や世界70以上の国や地域で展開されています。子どもたちが音楽を通してたくましく成長するとともに、子どもたちを中心に地域が活性化されることをエル・システマジャパンは目指しています。

音楽でつないでいこう 
すべての子どもたちの豊かな未来のために

東日本大震災が発生した翌年の2012年、エル・システマジャパンは被災地で子どもたちを支援していくために設立されました。

 

同年5月に福島県相馬市と、2014年5月に岩手県大槌町と「音楽を通して生きる力を育む」事業の協力協定を締結。以来、家庭の経済状況や障がいの有無を問わず、希望するすべての子どもに音楽教育を無償で提供してきました。また、2017年3月には長野県駒ヶ根市とも協力協定を結び、芸術に直接触れたり参加したりする機会の限られている「地方のなかの地方」にいる子どもたちを対象とした活動もスタートしました。

 

相馬市では「相馬子どもオーケストラ&コーラス」が結成され、現在では総勢120名の子どもたちが活動しています。その他、鑑賞教室の開催、鼓笛隊への指導等、地元の学校へ包括的な音楽支援も含めると、約2,200名の子どもたちが対象になっています。大槌町では部活動への支援も含めて約100名の子どもが支援を受け、2016年末には「大槌子どもオーケストラ」が結成されました。2017年3月からは、被災地以外でも、相対的に芸術にかかわる機会の限られている地域や子どもへと活動の対象を広げていきました。長野県駒ケ根市においてスタートした弦楽器教室には、現在は市内全域から80名の児童、生徒が弦楽器教室に集まっています。

2017年に立ち上がった「東京ホワイトハンドコーラス」は、聴覚障害のある子どもたちが「手歌」で音楽を創造するというパフォーミングアーツです。自分たちが仲間とゼロから考えだした動きを白い手袋をはめた手で自由に表現します。今後は「手歌」に限らず、視覚障害、発達障害、四肢障害などのある子どもや障害を持たない子どもたちにも対象を広げていきます。また、「相馬子どもオーケストラ」をはじめ、エル・システマジャパンの活動に関わる国内外のアーティストたちとの共演や交流も予定されています。

 

仲間と一緒に歌を歌い、楽器を奏でることは、大きな喜びであり、子どもたちを前進させています。子どもたちは日々の練習の成果を、地域の敬老会や子ども音楽祭、海外のユース・オーケストラや世界的なアーティストとの共演といった形で、公の場で披露してきました。音楽を通して自己を表現し、仲間と連帯意識を深め、また受け手とも繋がるという経験は、子どもたちにとってかけがえのないものとなっています。

 

先行きの見えにくい厳しい状況において、エル・システマジャパンは、子どもたちを中心に家庭や地域を音楽がもたらす力で長期的に支えていきたいと願います。今後も活動を一層深め、広げていけるよう努力してまいります。皆様の温かいご理解、ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

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