Tokyo Cantat 2022 オープニングコンサート
2022年4月29日
「Tokyo Cantat 2022 オープニングコンサート」イベントレポート
4月29日、すみだトリフォニーホールで開催された「Tokyo Cantat 2022 ・オープニングコンサート・240光年の響き~来し方・行く末~ Thoughts over Our Past and Future 」に、エル・システマジャパンから、東京子どもアンサンブル(旧称:東京ホワイトハンドコーラス)、相馬子どもコーラス、そして相馬子どもオーケストラが出演しました。
「Tokyo Cantat」は日本における合唱音楽の浸透と、文化としての合唱活動の振興を目指し、1996年から「21世紀の合唱を考える会 合唱人集団 音楽樹」さんが主催しています。26回目となる今回のオープニングコンサートは、日本の合唱界を代表する3人の指揮者の先生方(栗山文昭氏、岸信介氏、古橋富士雄氏)のこれまでの活動を振り返り、未来へとつないでいくコンサート。古橋先生がエル・システマジャパンの音楽監督(コーラス)でもあることから、東京・相馬の子どもたちが演奏の機会を頂けることになりました。
今回の演奏曲・童声(女声)合唱組曲『あめつちのうた』は、東京と相馬の子どもたちにとっては十八番ともいえる歌。昨年、ソプラノ・田中彩子さんとの共演ステージのために、作曲者の上田真樹先生に特別に編曲いただいた弦楽伴奏バージョンを今回は、相馬子どもオーケストラとエル・システマジャパンを支えてくれているフェローオーケストラ有志で演奏することとなりました。コロナ禍で、地域をまたいでの合同での合唱・演奏もなかなか叶わず、相馬子どもオーケストラ&コーラスの子どもたちと東京子どもアンサンブルの子どもたちが同じステージに立つのは実に1年ぶり!
合同での練習も本番当日の朝が初めて、というタイトなスケジュールでしたが、東京・相馬のコーラスの子どもたちはリハーサルで何度か一緒に声を合わせるうちに、お互いの存在をとても心強く感じた様子で、休憩時にはすっかり打ち解けて、楽しく話す光景も見られました。また、指揮の古橋先生が「オーケストラに合わせて歌ってみてどうだった?」とリハーサル後にコーラスの子どもたちに聞くと、「すごい!!」と素直な返事が返ってきてオーケストラを拍手で称える場面もありました。
そして迎えた本番。ゆったりとあたたかな響きの弦楽の前奏に続き、1曲目の〈空のうた〉が子どもたちの明るく爽やかな歌声で始まりました。最初は少し緊張した様子を見せていた子どもたちですが、2曲目の〈樹のうた〉、3曲目の〈風のうた〉と曲を追うごとに、どんどんホールの響きをつかんで味方につけ、4曲目の〈水のうた〉では、広いホールいっぱいに歌声が満ちていきました。短い15分間の中でも一つまた成長を見せてくれた子どもたちへ、会場からは大きな拍手が送られました。東京子どもアンサンブルの子どもたちの中には目の見えない子、見えにくい子もいます。コーラスの子どもたちは目の見える子が見えない子の手引きをして、拍手の中、退場していきました。続いて伴奏のオーケストラの子どもたち・フェローの皆さん、最後の一人が舞台の袖に入っていくまで、会場のお客さんの熱心な拍手が鳴りやみませんでした。
子どもたちは「お客さんの前で歌うのが久しぶりだったので緊張した」と話す子も多かったのですが、「声が響いて気持ちよかった」「楽しかった」とみんな明るい表情で口々にコンサートの舞台に立てた感激を話してくれました。
素晴らしい機会を作ってくださったTokyo Cantat の皆さんと古橋先生、そして、最後のリハーサルまで熱心にご指導くださった音楽監督(オーケストラ)木許先生を始めとする先生方、付き添いなどをご協力くださったボランティアの皆さん、子どもたちを温かく見守ってくださったベスティフルさんをはじめとする出演者の皆様、そして、ご来場くださったお客様に心から感謝いたします。
ありがとうございました!
(文:エル・システマジャパン広報官
田添菜穂子)
2022年4月29日(金・祝)5:00PM開演
すみだトリフォニーホール(大ホール)
「Tokyo Cantat 2022 ・オープニングコンサート・240光年の響き~来し方・行く末~ Thoughts over Our Past and Future 」
「行く末」ステージにて
林望 作詩/上田真樹 作曲
「あめつちのうた」
空のうた
樹のうた
風のうた
水のうた
合唱・弦楽合奏:相馬子どもオーケストラ&コーラス・東京子どもアンサンブル
賛助出演:フェローオーケストラ
指揮:古橋富士雄