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​東京子どもアンサンブル はじめてのこんさーと クリスマスの贈り物

2022年12月25日

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12月25日、「東京子どもアンサンブル 初めてのコンサート『クリスマスの送り物』」を無事に終了いたしました。このコンサートでは、予定していた資金の確保がままならず、クラウドファンディング「歌で紡ぐ共に生きる社会。インクルーシブな子どもコーラスの演奏会。」を約2か月間にわたって行い、合計228人、総額2,400,000円ものご支援をいただいて、開催することが出来ました。たくさんの方からのご支援と、あたたかなメッセージに、私たちは何度も励まされ、当日を迎えることができました。応援くださった皆様、本当にありがとうございました。                                                                                
 

会場のHakuju Hallはチケット完売の満席。ライブ配信でも多くの方が鑑賞くださり、皆様に見守られながらコンサートは幕を開けました。

 

第1部は東京子どもアンサンブルによる5曲のクリスマスソング。「おめでとうクリスマス(イギリス民謡)」、「前歯のない子のクリスマス(D.ガードナー)」、「ノエルの子どもたち(P.モーリア)」、「オーべルベリエの夜(M.マチュー)」、「すてきな冬景色(R.スミス)」という、元気な曲から雪の夜を思わせる静かな曲までが歌われ、4部構成のコンサートが始まりました。

 

第2部は、ゲストの田中彩子さんのソロステージ。「月の光(C.ドビュッシー)」、「星の輝く夜(C.ドビュッシー)」、「きらきら星変奏曲(W.A.モーツァルト)」、「ヴィラネル(E.デラックア)」の4曲。繊細なコロラトゥーラソプラノが会場にやさしく響きました。

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休憩をはさんだ第3部は、童声合唱組曲「あめつちのうた(林望作詩・上田真樹作曲)」。東京子どもアンサンブルがずっと大切に歌ってきた曲であり、昨年、田中彩子さんと初めて一緒に歌ったのもこの曲でした。今回は、エル・システマジャパンの仲間、相馬子どもコーラスと舞鶴子どもコーラスが、音と映像による共演。スピーカーから流れる2つのコーラスの歌声に、東京子どもアンサンブルの歌声が重なり、田中さんの高音がそれをやさしく包みこんでいました。

 

友情出演の相馬子どもコーラスと舞鶴子どもコーラスもライブ配信でコンサートを視聴。春と秋に録音した「あめつちのうた」の共演を楽しみました。

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そして最後のステージ。「アヴェマリア(G.カッチーニ)」、「エターナルライト(千住明)」、「新しい星光った(林光編曲)」よりクリスマスソング3曲、そして「聖夜(F.グルーバー)」を、東京子どもアンサンブルが田中彩子さんと一緒にお届けしました。そしてこのステージでは、11月に行われたヘレン・ケラー記念音楽コンクールで、第1位、第2位を受賞した仲間が、コンクールと同じ曲「ピエイエズ(G.フォーレ)」、「アヴェ・マリア(L.ルッツィ)」をそれぞれ披露。大きな拍手に包まれました。

 

やまない拍手にこたえ、アンコールは「ノエルの子供達」。田中さんと一緒に開催する、東京子どもアンサンブルの「はじめてのこんさーと」が幕を閉じました。

 

すべてのプログラムを通して、エル・システマジャパンのコーラスの音楽監督であり、編曲も担当された指揮者の古橋先生から楽しく曲が紹介され、司会の田添菜穂子さんと共にコンサートを盛り上げました。また、伴奏はすべて、練習でも優しく子どもたちに寄り添ってくださるピアニストの野間春美さん。歌手やコーラスの力を引き出し支えるピアノ伴奏に、子ども達も安心して歌うことができました。常任指導者の吉川真澄先生は、いつも子どもたちに寄り添ったご指導で、この日に向けた練習から当日のステージまで、陰に陽に子どもたちの演奏を支えてくださいました。

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コンサートの曲目15曲が決まったとき、スタッフは少しだけ不安でした。コロナ禍で練習も思うように進めることができない時間が長かったうえに、そのほとんどが初めて取り組む曲、しかも難易度も高い曲だったからです。子どもたちも「この曲難しすぎるー!」と口々に叫んでいたとか。さらに今回は、1人または数人のソロパートがあって、舞台裏でもとても緊張した様子でしたが、皆300人近いお客様の前で堂々と、生き生きと歌い切りました。

 

来場者のアンケートからは、「今年行ったクラシックコンサートの中で間違いなく一番でした」「子どもたちの歌声に心洗われました」「目のみえない子どもを手引きして舞台に上がる姿、素晴らしいです」などの声が寄せられています。

 

また、共演いただいた田中彩子さんからは、「一緒に歌っていて、歌うっていう事の本質はここにあるんじゃないかと、思いながら歌っていました。本当にかけがえのない時間をご一緒できて感動しっぱなしでした。」というメッセージもいただきました。

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終演後の子どもたちは、田中彩子さんにメッセージを書いてプレゼントしました。そこには、田中さんの歌声がとてもきれいだったこと、歌が好きなのでずっと歌っていたいことなど、それぞれの思いが書かれていました。点字で書いた子どものメッセージには、保護者の方が隣に訳を書いてくれました。

 

田中さんは圧倒的な歌声でステージを盛り上げてくださっただけではなく、練習、リハーサルそして舞台の上まで子どもたちを気遣ってくださいました。元気のない子、一人でいる子がいたらそっと近づき優しく声をかけ、休憩中もずっと子どもたちと一緒にいてくださいました。そんな田中さんのことがみんな本当に大好きで、また一緒に歌いたい!と今から楽しみにしています。

                                                                              
 

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何より歌うことが好きな子ども達。目がみえない、みえにくい、通っている学校、それぞれの背景・・・そんなことは関係なく、休憩中に一緒に遊ぶ子ども達。そんな子どもたちがつくりだすハーモニーによって、異なるものが一緒にひとつのものを創り出す美しさや力強さを、これからも発信していきます。

 

そして何より、子どもたちが自分らしくいられる場所を、私たちはつくり、守っていきたいと思います。

 

これからも、東京子どもアンサンブルの活動を応援よろしくお願いいたします!この度は、たくさんの皆様に応援いただき、本当にありがとうございました。

 

事業共催の東京芸術劇場の皆様、公演共催のHakuju Hall皆様、事前の録音からオンライン配信までを一手に引き受けてくださった皆様、この活動に協賛くださった企業の皆様、指導や点訳のボランティアの皆様をはじめ、多くの方々の力があってコンサートが実現し、無事に開催することができました。そして何より、今回、クラウドファンディングを通してでご支援・応援いただいた皆様、会場で、配信で演奏を聴いてくださった多くの皆様に心より感謝申し上げます。

 

写真・文章 加藤カヨ・田添菜穂子

​編集    田添菜穂子

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