ヨーロッパでのエル​・システマ
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フランス*

フランス*

ジャン・ガブリエル・マエオ氏、カトリーヌ・マエオ氏、パスカル・マシェレ氏とベネズエラのマエストロ・アルシデス・マエストレ・ブランコ氏によって、エル・システマ・フランスは2010年に設立されました。オーケストラへの一員になる意味、音楽理論、リズム、楽器の指導、または自己実現、協調性、自己管理について音楽を通して教育しています。現時点ではパリとナントで活動しており、プログラムには精神面、感情面、行動面で問題を持っている子どもたち、もしくは複雑な家庭環境に置かれている子どもたちが50人ほど参加しています。将来に向かっては、ベネズエラの教育モデルをフランスで再現するため、マルセイユ、ビュック、オルレアン、エクス・レ・バン、モンベリアール、リヴィエール・サル・デゥ・マルティニカとニームに音楽センターを構え、全国をつなぐネットワーク構築を目指しています。エル・システマ・フランスとして2015年6月19日に記念すべき初のコンサートを開催しました。

パシュール・ダル

パシュール・ダル

フランスではもう一つ「エル・システマ」に影響を受け設立されたプログラムがあります。ベネズレラの指揮者ラウル・ルボ氏とジャン・クロード・デゥカロン氏が設立したパシュール・ダル(Passeurs d'Arts)は、現在600以上の市区町村で取り入れられている音楽教育モデルです。特にこのモデルを導入したことによって、社会的変化が見られるのがセルジー市です。セルジー市では1,300人以上の子どもたちがこのプログラムに参加しています。他にも障害者向けの音楽プログラム、刑務所でのオーケストラ・プログラム、学校での音楽プログラム、ホワイト・ハンド合唱団やスラム街でのオーケストラプログラム等、このモデルを取り入れたプログラムは多々存在します。全プログラムへの参加者を合わせると2,000人近くになります。

グリーンランド

グリーンランド

ベネズエラのエル・システマのグアティレ校で音楽を学んでいたバイオリン奏者兼指揮者のロン・ダヴィス・アルバレズ氏が2011年にエル・システマ・グリーンランドを立ち上げました。ウマナック町にある孤児院の13人の子どもたちから始まり、他人と共存することが困難だった子どもを主に対象として活動している音楽プログラムです。現在は、4~18才の青少年100人が参加しており、2つ目のプログラムを首都ニュークで開始しました。主なミッションとしては複雑な家庭環境に置かれている子ども、もしくはコミュニケーション障害や何かしらの理由で社会に出ることが困難な子どもたちに居場所を提供しています。

スウェーデン

スウェーデン

エル・システマの創設者ホゼ・アントニオ・アブレウ氏の影響を受け、世界的指揮者グスタボ・ドゥダメル氏がエーテボリ交響楽団の主任指揮者を勤めていた時にハンマルクッレンの郊外にアンゲレド・カルチャー・スクールを2009年5月に立ち上げたのがエル・システマ・スエーデンの始まりです。音楽を通し健全な社会変革を推進する教育モデルを2,000人以上の子どもたちへ提供しており、現在では音楽学校30校をストックホルム、ウメオ、セーデルテリエ、マルメ、エーテボリやエシルステゥーナに構えています。この音楽学校30校はエル・システマ財団とエル・システマ・プロジェクト・スウェーデンの支援を得て運営しています。

スペイン*

スペイン*

Acción Social por la Músicaは設立からの年数は浅いが、2012年の設立時から既に200人の子どもたちが参加しており、その内100人はフェルナンド・エル・カトリコ・オーケストラ、もしくはPio XIIオーケストラの一部として活動しています。参加している優秀な子どもたちはルヴェンタスオーケストラとInstituto Musical Arcos青年オーケストラともコラボしています。恵まれない家庭環境に置かれている子どもたち、社会的リスクに晒されている子どもたち、自尊心や集中力の低下、不登校、コミュニケーション問題等の課題を抱えている子どもたちの幼少期を音楽でポジティブな方向へ推進することがこのプログラム最大のミッションです。このプログラムの音楽及び運営は、姉妹財団であるベネズエラのシモン・ボリバル音楽財団から支持を受けています。

ポルトガル*

ポルトガル*

2007年にわずか15人の子どもたちで始まったジェラサオ・プロジェクトは、教育省の支援を受け、低所得層の子どもたちとその家族を対象とする音楽プロジェクトです。リスボンとコインブラ含め13箇所に音楽教育センターを設置し、現在は80人の指導者が約1,000人の子どもたちに音楽を教えています。このプログラムを通して形成されたオルケストラ・ジェラサオは欧州連合のトップ50の社会プロジェクトにランクインしています。ジェラサオの青少年オーケストラには14〜20歳の青年が160人、子どもオーケストラにはの8〜14歳の子どもが248人、「音楽への紹介」プログラムには2〜6歳の子ども400人が参加しています。リスボンとコインブラ市内の16校がジェラサオ・プロジェクトの支持を受けています。

イタリア

イタリア

「音楽は、あらゆる違いを克服することができる」。これは2010年12月にイタリアで設立されたイタリアの青少年オーケストラ・システムのモットーです。ベネズエラの「エル・システマ」に影響を受けて設立されたこのプログラムは、音楽の教育及び社会的価値をアンサンブル演奏を通して発見することを目的としています。現在は8,500人の子どもたちがこのソーシャルプロジェクトに14地域(アブルッツォ、バジリカータ、カンパニア、エミリア・ロマーニャ、フリウリ・ベネチア・ジュリア、ラツィオ、リグリア、ロンバルディア、マルケ、ピアモンテ、プリヤ、シチリア、ヴェネトとトスカーナ)に広がる45箇所のセンターから参加しています。プログラムは主に4〜16歳の低所得層の子どもたち、障害(ダウン症候群、自閉症、知的発達障害等)を持っている子どもたちを対象としています。

スコットランド

スコットランド

2006年に設立された慈善団体エル・システマ・スコットランドの代表的プログラムBIG NOISEは、スコットランド全国にオーケストラセンターを立ち上げることを目指しているプロジェクトです。1箇所目のオーケストラセンターは2008年にスターリング市ラップロックに立ち上がり、2013年に2箇所目がグラスゴー市ゴヴァンヒルに、更に2015年に3箇所目のセンターがアバディーン市トリーに立ち上がりました。この3箇所のオーケストラセンターを通して、約600人の子どもたちを支援しています。スコットランド政府が実施した参加者の保護者を対象とした調査では、100%の保護者は子どもがプログラムへの参加によって自尊心が高まった、93%の子どもが以前よりハッピーになった、79%が子どもの集中力が増した、更に43%が子どもが反抗する頻度が減ったと回答しており、子どもたちの成長へ貢献している成果を残しています。 「イギリスの音楽は、今後ベネズエラのエル・システマを見習うべきかも知れない」 (イギリスのチェロ奏者及びエル・システマ・イングランドの設立者ジュリアン・ロイド・ウェバー氏)

イングランド

イングランド

エル・システマ・イングランドはジュリアン・ロイド・ウェバー氏により設立された慈善団体で、ニュークレオ・プロジェクト、エル・システマ・ノリッジ、イン・ハーモニーと3つのプロジェクトを立ち上げ活動しています。イン・ハーモニーは2008年に始まって以来、現在は7つの都市(ロンドン、リバプール、リーズ、ニューカッスル、ノッティンガム、テルフォードとレキン)に活動拠点を置き、約4,100人の生徒が参加しています。エル・システマ・ノリッジは2012年に立ち上がり、NORCA(ノーフォークとノリッジ・コミュニティ芸術)が指揮を取り、2つの学校(ノリッジ予備選挙アカデミーとキャトン木立ち小学校)及び2つの交響楽団(H・マーティノー・オーケストラとサラ・グラヴァー・オーケストラ)を通して4〜11歳の子どもたち1,000人以上を支援してます。ニュークレオ・プロジェクトも同年に立ち上がり、西ロンドンを中心に2〜15歳の子どもたち約100人に無償で音楽と楽器のレッスンを提供しています。

オーストリア*

オーストリア*

SUPERARは、世界的に有名なウィーン・コンツェルト・ハウス、ウィーン少年合唱団とカリタス・ウィーンのパートナーシップから誕生した、国内外の青少年に高い質のオーケストラとコーラス教育を無償で提供するプログラムです。2009年に設立されて以来、1,200人ほどの青少年が参加しており、ボスニア、ルーマニア、スロバキア、スイス、リヒテンシュタイン等国外の参加者も約900人います。SUPERARはオーストリアに限らずシステマ・ヨーロッパの一員としても活動してます。

ベルギー*

ベルギー*

エル・システマ・ベルギーは2009年にReMuA(Réseau de Musiciens-intervenants in Ateliers)の責任者サラ・ゴールドファーブ氏により設立されました。設立以来、20個の音楽教育プロジェクトが始まり、1,500人の子どもたちに音楽教育及びオーケストラへ参加する機会を提供しています。2014~2015年には、15個のプロジェクトを通し、ブリュッセル、モンスとリージュに住む子どもたち414人をサポートしました。

クロアチア

クロアチア

カルメン・ヒティ氏、リカルド・ルケ氏、メルカス・ダヴォル氏とイヴァナ・コツェリ氏、この4人の熱い想いによりエル・システマ・クロアチアは2011年12月19日に設立されました。2011年の上半期にボリヴィア・ボットメ氏と打ち合わせをし、その翌年にはアブレウ氏とも会い、猛スピードでザブレブ、レケニク、イストリアの3都市にオーケストラを形成し、130人の生徒と18人の教師で始まりました。クロアチアの子どもたちや若者に音楽を通して人間性、社会性、感情及び精神的な成長、知的発達を促進することをミッションとしています。

スロバキア

スロバキア

スロバキアの音楽プロジェクトVirtuosoは、子どもに限らず参加者のご家族、学校、コミュニティと地方自治体を対象とし、社会全体の人々の信頼関係とチームワークを音楽を通して促進する活動です。特に困難な立場にある子どもたちを経済的に支援し、参加している150人超の子どもたちに、まずは音楽を発見し、好きになってもらうことを目標として8人の音楽教師が尽力されています。並行して、Virtuosoはアンサンブルの新たなあり方の基礎を築いています。

フィンランド*

フィンランド*

ヴァンター市で2009年に始まった「郊外にある全世界」プロジェクト。こちらはシステマ・フィンランドのテンポ・オーケストラが始めたヘルシンキ郊外のコイヴキュラとランシマキ在住の移民と現地のフィンランド人の良好な関係構築のために設立されたプロジェクトです。始まりのきっかけはテンポ・オーケストラが過去に数回訪れたシステマ・ポルトガルのジェラサオ・オーケストラです。ジェラサオ・オーケストラの取り組みに感銘を受けたテンポ・オーケストラは、ベネズエラのマエストロ2人(ホゼ・フェリペ・ムニョス氏とヘスース・シラ・マルティネス氏)の指導のもと、このプロジェクトを設立しました。現在、ヘルシンキとヴァンターにある5つの学校の生徒130人が参加しており、約半分はバングラデッシュ、中国、日本、エストニア、インド、イラク、コソボ、パキスタン、ロシア、スペイン、トルコ、ベトナム、タイ等と全世界からの移民の子どもたちが参加しています。

ウェールズ

ウェールズ

2つの学校、カーナーボン市のYsgol・Maesinclaとバンゴア市のYsgol・Glanceginで始まったCODI'RTOは「エル・システマ」の理念を持って立ち上げられたシステマ・キムルの北ウェールズの地域再生プロジェクトです。3人の音楽教師がYsgol・Glanceginの4年生とYsgol・Maesinclaの5年生に金管楽器と打楽器の指導をしています。参加者のご家族及び隣人を集め、演奏会も行っています。

アイルランド

アイルランド

2008年にアイリッシュ室内管弦楽団がリメリック市の再生と活性化プログラムとして設立したのがアイルランドでのプロジェクトです。インクルージョンや平等性、様々な社会の課題を改善するため、子どもたちとその保護者、スタッフ及びその社会に向けて、長期的にこの様なプロジェクトに参加する意義を伝えるのがミッションです。毎週、ボイスレッスンや作曲のワークショップを開催したり、リメリック市に住む300人の子どもたちにバイオリンレッスンの学費を付与したりしています。現在は2つの教育機関(Le Cheile N.S.とSaint Mary's National School )を通し運営しています。

ノルウェー

ノルウェー

オスロ音楽学校の教師シセル・ラーセン氏がエル・システマ・ベネズエラのマエストロ、フランク・ディポロ氏に2010年の1月にお会いしたことがTøyen学校の始まりでした。オスロ中心部の近くにあるTøyen学校では、350人の子どもたちが音楽を学ぶため参加しており、参加者の97%は社会的マイノリティや移民の子どもたちです。Tøyen学校では、音楽以外の科目を教える教師からの協力を得て、コミュニケーション、言語力、一般的な教育と併せて、トランペット、バイオリン、フルート、パーカッション、ブラス、クラリネットとコーラスの指導をしています。教師の多くはラーセン氏と同じオスロ音楽学校の教師です。

オランダ*

オランダ*

最近設立されたオランダのエル・システマは、全国の子どもたちへ無償で参加可能な放課後プログラムを提供しています。このプログラムを通し、子どもたちには幼少期の頃から自分の可能性と将来に対して前向きになり、将来の目標に向かって突き進むことをサポートのが目的です。

セルビア

セルビア

エル・システマ・セルビアは「エル・システマ」の方法論を取り入れたマスタークラスから始まりました。教育家ミロジェビッチ・シミッチ氏のサポートを得て、ジュルジャ・パパゾグル氏が2010年にマスタークラス「Music Art Project」を開催して以来、現在はベルグラード、オブレノバツ、チュプリヤ、ヤゴディナとノヴィ・サドでニュークレオ(音楽教育センター)を立ち上げ、その地域特有の課題や参加者のニーズに合わせたプログラムを実施しています。エル・システマ・ベネズエラとの連携は現在でもエル・システマ・セルビアの大使でもあるフランシスコ・パチョ・フロレス氏がリードしています。

トルコ*

トルコ*

建築家メフメト・セリム・バーキー氏によって2005年に設立されたMusic for Peace Foundationは多くの子どもたちに無償で音楽教育を提供し、音楽を通して社会平和を促進することをミッションとしています。イスタンブール市エディルネカピの約5,000人の経済的、もしくは社会的に困難な立場にある子どもたちに音楽教育を受ける機会を与えています。2009年にはドイツ銀行が実施するアーバン・エイジ賞を受賞し、2014年6月には本場ベネズエラとのフレンドシップ条約を結び、正式に「エル・システマ」の理念に基づいた組織として認定されました。現在、こちらのプロジェクトにはオーケストラ2団、合唱団、金管楽器のバンド、アコーディオン・オーケストラがイスタンブールの3箇所にあるニュークレオ(教育センター)にて400人の子どもたちが20人の指導者について音楽の勉強に励んでいます。