イタリア「音楽は、あらゆる違いを克服することができる」。これは2010年12月にイタリアで設立されたイタリアの青少年オーケストラ・システムのモットーです。ベネズエラの「エル・システマ」に影響を受けて設立されたこのプログラムは、音楽の教育及び社会的価値をアンサンブル演奏を通して発見することを目的としています。現在は8,500人の子どもたちがこのソーシャルプロジェクトに14地域(アブルッツォ、バジリカータ、カンパニア、エミリア・ロマーニャ、フリウリ・ベネチア・ジュリア、ラツィオ、リグリア、ロンバルディア、マルケ、ピアモンテ、プリヤ、シチリア、ヴェネトとトスカーナ)に広がる45箇所のセンターから参加しています。プログラムは主に4〜16歳の低所得層の子どもたち、障害(ダウン症候群、自閉症、知的発達障害等)を持っている子どもたちを対象としています。 | スコットランド2006年に設立された慈善団体エル・システマ・スコットランドの代表的プログラムBIG NOISEは、スコットランド全国にオーケストラセンターを立ち上げることを目指しているプロジェクトです。1箇所目のオーケストラセンターは2008年にスターリング市ラップロックに立ち上がり、2013年に2箇所目がグラスゴー市ゴヴァンヒルに、更に2015年に3箇所目のセンターがアバディーン市トリーに立ち上がりました。この3箇所のオーケストラセンターを通して、約600人の子どもたちを支援しています。スコットランド政府が実施した参加者の保護者を対象とした調査では、100%の保護者は子どもがプログラムへの参加によって自尊心が高まった、93%の子どもが以前よりハッピーになった、79%が子どもの集中力が増した、更に43%が子どもが反抗する頻度が減ったと回答しており、子どもたちの成長へ貢献している成果を残しています。
「イギリスの音楽は、今後ベネズエラのエル・システマを見習うべきかも知れない」
(イギリスのチェロ奏者及びエル・システマ・イングランドの設立者ジュリアン・ロイド・ウェバー氏) | イングランドエル・システマ・イングランドはジュリアン・ロイド・ウェバー氏により設立された慈善団体で、ニュークレオ・プロジェクト、エル・システマ・ノリッジ、イン・ハーモニーと3つのプロジェクトを立ち上げ活動しています。イン・ハーモニーは2008年に始まって以来、現在は7つの都市(ロンドン、リバプール、リーズ、ニューカッスル、ノッティンガム、テルフォードとレキン)に活動拠点を置き、約4,100人の生徒が参加しています。エル・システマ・ノリッジは2012年に立ち上がり、NORCA(ノーフォークとノリッジ・コミュニティ芸術)が指揮を取り、2つの学校(ノリッジ予備選挙アカデミーとキャトン木立ち小学校)及び2つの交響楽団(H・マーティノー・オーケストラとサラ・グラヴァー・オーケストラ)を通して4〜11歳の子どもたち1,000人以上を支援してます。ニュークレオ・プロジェクトも同年に立ち上がり、西ロンドンを中心に2〜15歳の子どもたち約100人に無償で音楽と楽器のレッスンを提供しています。 |
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