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アンゴラの子どもたちとの交流コンサート in 相馬


「カポソカ音楽学院・相馬子どもオーケストラ交流コンサート in 相馬」が5月15日、相馬市民会館にて開催されました。

はじめに、アンゴラから来日したカポソカ音楽学院オーケストラの34名が、新進気鋭の若手チェリストでもある伊藤悠貴さんの指揮で、チャイコフスキー作曲の「弦楽セレナーデ」を演奏。その後、アンゴラのコンサイセオン・フェリックス・ダ・コスタさんの指揮で、アンゴラのテタ・ランド作曲の「ントヨ」、「イェンベレ・イェンベレ・イェンベレ」、「タタ・ケント」が披露されました。アンゴラがポルトガルから戦争の末に独立したのは約40年前ですが、独立後も2002年まで内戦が続きました。「ントヨ」はポルトガルからの戦争の最中に作曲され、危険を察した人間がすばやく逃げるために鳥に生まれ変わり、鳥は危険を訴えるために人間に変身するという内容です。また、「イェンベレ・イェンベレ・イェンベレ」は独立を果たした喜びや栄光を歌ったもので、いずれもアンゴラの歴史を色濃く反映しています。

その後、相馬子どもオーケストラが音楽監督の浅岡洋平先生の指揮で、バッハ作曲の「ブランデンブルク協奏曲」とモーツァルト作曲の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を演奏しました。そして、いよいよ、カポソカ音楽学院と相馬子どもオーケストラが、モーツァルト作曲の「ディヴェルティメント」とパッヘルベル作曲の「カノン」を共演しました。合同練習は前日と当日の午前中のみでしたが、アンゴラと相馬の子どもたちは息のぴったり合った演奏を聞かせてくれました。浅岡先生は、「カポソカのすべての子のアイコンタクトが凄い。常に鋭い目でこちらを見ていて、言ったことに対して、すぐ身体で反応する集中力。ベネズエラのエル・システマの子どもたちも同様なところはあったが、それとはまた違う、野性的、感覚的なところに強く感銘を受けた。素晴らしい時間が共有できて、カポソカの子どもたち本当に感謝をしている。相馬の子も何か、普段の自分たちだけでの演奏では感じられない何かを感じてくれたと思う」とコメントしました。

最後にカポソカ音楽学院の若者たちが相馬の子どもたちへ「音楽の贈り物」として、「パイレーツ・オブ・カリビアン」を演奏。指揮者をはじめ、ステージ上の奏者のパワフルな演奏とパフォーマンスに、相馬の子どもたちは目を輝かせました。そして、終演後はステージ裏で即興ではじまったカポソカ音楽学院の若者たちの演奏に合わせて、アンゴラと相馬の子どもたちが一緒にダンス。アンゴラは豊かな天然資源に恵まれているものの、2002年の内戦終結後も様々な開発の課題に阻まれ、貧富の格差が依然として大きな壁として立ちはだかっています。音楽で自信、規律、そしてチームワークを育むカポソカ音楽学院の約500名の生徒を代表して日本に来た音楽家たちから相馬の子どもたちが学ぶことはたくさんあったようです。

当日の交流コンサートの様子は、相馬市役所の広報の方たちが映像を編集してくださいました。こちらのサイトよりご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=DZtc5l5_bdQ

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