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第3回エル・システマ子ども音楽祭(1日目)!

いよいよ本番を迎えた『エル・システマ子ども音楽祭 in 相馬』。トップバッターは、相馬市立中村第一中学校、中村第二中学校、向陽中学校吹奏楽部による合同演奏。「前前前世」、「Time to Say Goodbye」、「ディープ・パープル・メドレー」というカラーの異なる演目を3校から集まった中学生たちが、ひとつの舞台で力を合わせて元気いっぱいに表現しました。そして続く高校生による演奏も、相馬高校と相馬東高校吹奏楽部の2校のよる合同演奏。赤いブレザー姿の相馬高校は、バンド全体がひとつにまとまるように基礎練習に励んできたそうです。一方の相馬東高校は、攻めの演奏を目指し、また運営面でも子どもが主体となって音楽活動を引っぱっていけるよう頑張っています。「マーキュリー」、「簗塵秘抄~熊野古道の幻想」、「魔法にかけられて」と、まさにマジカルな世界を見せてくれたかと思うと、「ジングル・ベル・in swing」で、リズミカルで小気味のいいクリスマスを相馬市民会館に届けてくれました。

第2部は「相馬子どもオーケストラ」による演奏。エル・システマジャパンの弦楽器教室に通う子どもたちに、普段から活動をサポートしてくださっている先生方やプロの音楽家、フェロー(エル・システマジャパンの音楽指導ボランティア)が加わり、総勢100名あまりが一斉にステージに上がりました。モーツァルト作曲の「ディヴェルティメントK.136番 ニ長調」は心が洗われるような透明感に満ちた演奏。「くるみ割り人形組曲 作品71a」はクリスマスイブの夜(そう、今夜です!)に少女クララがくるみ割り人形をプレゼントされたことから始まる冒険物語で、ハツカネズミの大群と戦ったり、金平糖の精による歓迎の宴があったりと、非常に多彩なストーリー展開です。「相馬子どもオーケストラ」の子どもたちは、ときに勇ましく、ときに優雅で、そしてときに夢のようにきらきらとしたクリスマスイブを浮かびあがらせ、聴衆を「くるみ割り人形」の世界にいざないました。

プログラムの最後を飾ったのは、「交響曲第9番 ホ短調 作品95『新世界より』」。第2楽章は「遠き山に日は落ちて」でよく知られているように哀愁に満ちていますが、全体としてはスケール感のある演奏が求められます。小学校3年生も演奏した『新世界』はダイナミックで、特に後半にかけては集中力の高さが伝わってきて圧巻でした。演奏後は相馬市民会館に「ブラボー」の声が飛び交い、地元のおばあさま方もスタンディングオべーションで感動を伝えるなど、まさに会場が一体となった『新世界』でした。

そして、聴衆の拍手はアンコールを求める手拍子へと変わり、その手拍子に合わせるように聞こえてきたのが、シャンシャンシャンという鈴の音。「相馬子どもオーケストラ」の子どもたちは、サンタクロースの帽子やトナカイの角をつけて、元気いっぱいの「そりすべり」を披露しました。クリスマスの雰囲気で盛りあがった客席は「そりすべり」の後も興奮がおさまらず、さらにもう1曲をアンコール。子どもたちが生き生きと演奏したのが、「ラデツキー行進曲」。タクトを振る浅岡先生(相馬子どもオーケストラ指揮者 / エル・システマジャパン音楽監督)の合図に合わせて、聴衆も手拍子を大きくしたり小さくしたりと客席参加型で、ひとりで来場されていた方々も楽しそうに手拍子をしていらっしゃいました。

クリスマスの聖なる夜の響きを伝え、そして誰にとっても楽しい集いである『エル・システマ子ども音楽祭 in 相馬』は2日目に続きます。

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