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ホワイトハンドコーラスの子どもとチェロの出会い

フェローと呼ばれる、エル・システマジャパンの活動現場を支えてくれている楽器指導ボランティアたち。また、相馬や大槌の弦楽器教室に足を運んできたこうした若者を中心に、エル・システマの理念・活動に賛同する人も加わって「フェローオーケストラ」が結成され、本年3月、4月では東京、相馬で演奏の機会に恵まれました。

この10月22日に行われるエル・システマフェスティバルのガラコンサートにもフェローオーケストラは、相馬と東京の子どもたちのために、エル・システマが生んだ若き天才コントラバス奏者エディクソン・ルイスと共に舞台に上ります!こうして自発的に支援に集まってくれた人々の存在は世界のエル・システマの中でも珍しく、私たちの活動にとって、とても大事な存在です。

先日の東京ホワイトハンドの練習会場に見学に来た、フェローのチェロ奏者川野辺さん。部屋の隅で試しに音を出し始めたときに、参加者の雄貴くんが、すかさずそばまで寄ってきました。お母さまに、雄貴くんの聴こえの状態を伺うと、「私もまだわからないところがあって、車の音などは聞こえないようだが、以前も楽器の音に反応したことがあるんですよね」と不思議そうでした。

その後、えりか先生が全員に呼びかけ、子どもたちとろう者の先生井崎さんがチェロに手を触れました。低い音から高い音まで感じてもらいました。この体験が済んだ後、美紗生さんが、楽器を引き上げようとする川野辺さんのところに歩み寄って、「あなたが、私たちといっしょに演奏会の日に弾いてくれるのですね?」と手話で再確認をしていました(手話通訳の方が、すっと間に入ってくださいました)。美紗生さんはうれしそうに納得した表情を見せると、席に戻りました。

子どもとフェローとの出会いが、互いに何かをもたらしあう関係になるのも、エル・システマの魅力です。それにしても、ひとつの楽器が、聞こえない子どもたちの心をつかんでしまうとは。10月のガラコンサートを、皆さまどうぞお楽しみに。

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