去る7月2日(土)にLVMH相馬子どもアートメゾンにて、エル・システマジャパン作曲教室 in 相馬(監修:藤倉大、特別協賛:LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループ)が行われました。講師は藤倉大先生と東野珠実さん(笙)です。
今回、笙の作曲をするのは、もちろん全員が初めてです。 最初に行われたデモンストレーションでは、笙の仕組みをていねいに説明していただき、どのように記譜をすれば良いのかを教えていただきました。
しかし、笙はこれまでの他の楽器と比べると、出せる音に限りがあります。というのも、クラリネットなどの他の管楽器と違い、笙は和音を鳴らせることが特徴。しかし、どんな音でも組み合わせられるというわけではなく、どの指でどの音を鳴らすのか、つまり、どの音は同時に鳴らせるのか(鳴らせないのか)、ということを理解した上で和音を書かなければいけません。
藤倉先生も最初は、「うーん、今回はちょっと難しいかもなあ…もし、演奏できない音を書いてくる子がいたら、その都度工夫してやっていきましょう」とおっしゃっていたのですが、実際に作曲をしてみると、全員ちゃんと演奏できる音を書いて作品を仕上げました。おそるべし相馬の作曲家たち。とてもハイレベルです。
楽器の仕組みや特徴を理解した後は、子ども達はもくもくと作曲に集中し、どんどん作品が出来上がってきます。 東野さんは、「ここは足し算をするとこんな風になるよ」 「引き算の考え方でやるとこうなるね」とアドバイスをしながら、子どもが書いた単旋律や和音に音を足したり、引いたりして演奏してくださいます。
その演奏に対し、子どもは、「そこは引き算の方が良い」 など、自分が良いと思う音を決め、その書き方を藤倉先生に教えていただきながら、自分の作品を完成させます。
今回は引き算を使ったちえみさんの作品を動画でご紹介します。ぜひご覧ください。
最後には、グランドピアノ一台分(!)という大変高価な笙の演奏体験もさせていただくことができました。
毎回のことではありますが、子どもの創造性と上達の早さには驚かされます。とくに今回は、まだ小学校に入っていない5歳の子どもも含めた全員が笙の仕組みをちゃんと理解して作品を書いた、というところには、驚きを隠せませんでした。
音楽や作曲を楽しむこと、そして、自分が良いと心から思う音を大切にすることが創造性につながる、ということを、その場にいた大人も含めたみんなが学べたと思います。
藤倉先生、東野さん、楽しい教室をありがとうございました。
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